屏東といえば、台湾最南端の県にあるリゾートのイメージ。
ですが、久しぶりの更新は、本日は海やビキニ娘でない、
屏東と言えばのコーヒーでもカカオでもまぐろでもない、
屏東の、タイトルの通り日本人村のお話しです。
屏東駅から徒歩15分のところに
台湾最大の日本統治時代の民家群が残っているってご存知ですか?
それも70棟も!ゴロゴロと。
日本統治時代の屏東には、『屏東飛行場』があって
そこで働く日本人が住んでいたという場所です。
ほら!日本人が住んでいた当時の地図です。
しかし、
台湾の人たちからは、眷村(ジュェンツゥン)と呼ばれている。
眷村とはなんぞや?
ドドーンと広がる日本人村だった、屏東の眷村。こんな風に残っているんです。
眷村とは、中国から蒋介石と一緒にやってきた
国民党の人たちが住みつき、生活した村です。
終戦で日本人が1945年に撤退し、
蒋介石が来たのは1949年。
ここでお話しする屏東のそこもそうであったように
日本人の住んでいたところに「ちょうどいい空き家がある!」と
そのまま住み始めた眷村って結構多いらしいです。
使われていたからこそ残っているんでしょう。
眷村は台湾各地に結構あり、廃墟と化しているところもあれば
今の台湾のレトロブームで、
楽しい場所に生まれ変わっているところもあります。
例えば、有名どころでいうと
台北のお台場的なエリアにボンと位置する四四南村。
信義区の公民館で、奥はカフェ&ショップの『好丘』が入っている。
台湾のお土産になりそうな食材をたくさん扱うので日本人観光客にも人気。
週末には『好丘』主催のクリエーターのフリマも開催されています。
そして、台北大学のお膝元、丘の上に広がる眷村で台北の寶藏巖。
まだすこし住人もいるところをアトリエにしたり、
カフェにしたたりという、
アートビレッヂ?的に若者がごにょごにょやっている場所。
(写真ナシです、、)
台中の彩虹眷村。
一人のおじいさんが描く、
カラフルなかわいい絵で有名になった場所。
この絵がネット上で話題になり、取り壊しから逃れた眷村。
愛嬌のあるタッチの絵で埋め尽くされた古い町は、台中切っての観光スポットに。
こんな感じに、眷村は台湾全土で盛り上がって来ているんですが、
では、その屏東は?というと、現在進行形。
地景藝術節という、いわゆる街角アート展をやっていて、
この地域を盛り上げて行こうとしている真っ只中。
政府のテコ入れでカフェがポツポツ入り始めていたり。
地景藝術節につられてなんとなく、町をプラプラ。
日本家屋のカフェ、大和咖啡館というのが有名みたい。
靴を脱いで上がるのが、日本人には嬉しい開放感。
驛前大和咖啡館
屏東市青島街96號 電話:08-7337922 11:30〜20:30
畳に白く塗られた創作欄間、簾製の座椅子で和風テイストに。
このカフェは、屏東駅の近くに当時日本人の作った古いホテル
(その名も『大和』)も借り上げていて、
リノベして来年にはホテルをオープンするとか。
店にはホテルの当時の写真がか飾られていました。
地景藝術節は、来年2018年の2月28日までとなっていて、
場所は、屏東市勝利新村です。
その様子を以下にチラリ。
台湾の外飯必須のプラ椅子をつかったオブジェ<近景>
<遠景>
この眷村の住所アート<近景>
<遠景>
眷村の家(というか台湾の昔の家)の中で使われていたものオブジェ?
家の中オブジェ?その2
こんな風にアートで盛り上げているところは、
塀があって、庭があっての家なので、
格の上の人の住居だったと思われるところ。
このテコ入れされている昔の高級エリアの一角から離れた
道路を越えたところにも日本人街跡があって、
中華風にアレンジの加わった日本人住居群の廃墟が
忽然と広がっていました。
手前にある小さいトンネルは防空壕。あちこちにアリます。
手前の眷村と対照的なマンションの森は、
眷村に住んでいた人たちが住み移ったマンション。
建物の老朽化に伴い公的に用意されたものです。
眷村には囲いもナシ。草などは綺麗に刈られていますが
これからどうするのか?あまりに古すぎてなすすべもなく
放置されているのでしょうか?
木に飲み込まれている廃屋。こちらの方がアートっぽい気が、、、。
国民党のアレンジメントが施されています。
こちらにもアレンジが。
「愛」アンド「國」のアレンジが。
日本家屋に風水的なアイディアの門?がつけられています。
近寄ると、ツタではなくクリスマス風びらびらに星シール。
もとの住人なのか、自転車でやって来て中でおしゃべり中。
黄色いガムテープが2切れ、ぺたり。
よく見ると『日本時代の門柱です。壊さないでください。シェシェ。』
とメッセージ。私からもこれを書いた人にシェシェと言いたいです。
うん。
門柱ばかりでなく、何かここを上手く残す手はないものか。
周りは片付けられてるものの、雨ざらし。
デカい台風が来れば無くなります。
誰か、わざとらしくない、いい感じの手入れを!
できるのか、屏東縣!
勝利新村。
私もそうしていったのですが、
屏東駅から『勝利新村-地景藝術節』をキーワードにたどり着けます。
手を入れられているところと、この先どうなるの?というところの差に
生き物でもない建物に対して、なんだかシンミリしてしまいました。
グーグルで検索しても検索に引っかかりますよ。
屏東のこの辺りは高雄の先。
飛行機も新幹線も一気に近寄れる最寄りはないけど、
台湾南部の旅に加えてこの日本宿舎群の街を見に行きませんか?